2012-08-10

ピンチアウトした空の下

二ヶ月ほど前の事のことになるが、携帯電話本体の分割払いの残り月が、親指と人差し指を折って数えれる程になった。

それまで D社の携帯電話とiPod touchを使っていて、これと云って不自由など感じていなかったのだけれど、そこここでスマートフォンの液晶画面を指でシュッシュッとしている行為が、なんだか気になってしょうがない。いつのまにやら、同時期に携帯電話を購入したはずの細君も、事あるごとにシュッシュッしていたりした。そうなってくると自ずと私もシュッシュッしたい衝動に駆られ始める。

以前、取引先の方と打ち合わせが無事に終わって世間話をしている時のこと。
携帯電話の話から、年に一回、決まってタイにゴルフへ行くという話に展開した。
「しかし、タイに行った時も普通に(この)携帯電話は使えるから、世の中便利になりましたよね」と云って、S社の最新機種らしい携帯電話をこれみよがしに左手の中で器用に回して見せた。
その当時 *1、周辺市町村でのS社の携帯電話は、将棋の駒みたいに吹けば飛ぶ様な電波状態で、少なくとも会社付近では、ほぼ電波受信マークが立った状態を見る者無く、結果、タイよりも電波状態が悪い地域であることがわかった。あえてそのような事を知らないまま、彼は会社を後にした。

D社の夏モデル発表、将来的にiPhoneは取り扱わないであろう旨の発言、噂のiPhone5は発売されなかった、で、何ら迷うことなく、前述の電波環境もあって、自ずとa社のiPhone4Sへの乗り換えることを決めた。
D社のファミリー割引の主回線になっていることで、解約などの手続きがしちめんどくさかったのだけれど、ちょうど乗り換えキャンペーンとかで現金三万円を握らされたら、すべて丸く収まった心持になった。

自称ロッカー*2 なので、持ち物は断然黒が多いのだけれど、今回は爽やか?に白を選んだ。
けれども、自称ロッカーは譲れない?部分なのでヒョウ柄(J.Crew)のカバーを被せた。

えぇ、今年無事に43歳になった次第で、えぇ。


2012-08-08

早朝の来訪者

朝早い時間から、階下で猫が騒がしい。

親子して喧嘩でもしているのだろうと、寝返りをうてば、ただならぬ様相である事を、サッシ窓や壁を伝う衝撃音が知らせる。
おぼつかない有り取りで階段を下り、リビングへのドアの前に立ったところで、声の主は娘猫(ハナ)である事を理解した。
ドアを開ければ、親猫(ウメ)が、毎朝の習慣通りに、ころころと喉を鳴らしながら、足にまとわりついて みぃーと短くないて、朝飯を要求(ねだ)った。
カーテンを引いた薄暗い室内に目を凝らせば、庭に面した大きな窓のカーテンが激しく波打っていて、その波間からハナの興奮した威嚇声が轟いていた。

カーテンを静かに小さく開けてみたらば、犯人はそこに居た。
























最近、毎朝やって来ては、カーテンの隙間から室内を覗き、サッシ窓を猫パンチしている様子。
おかげで、目覚まし時計要らずで毎朝猫の威嚇声で目を覚ましている。

2012-05-02

over several nights

思春期な活断層の反抗的な行動により大規模な影響を被った。

一年経ってテレビで集大成的な映像が流れ始める。あらためて様々な失ったものを思い返させた。大事に取り置きした記憶を司るモノなど。

この一年、市内で甚大な津波被害を受けた地区に行くことを、意識的に避けて来た。勿論、実家以外の地区。
仕事上、来社される顧客を、そうした場所に案内するように命じられ、渋々、行く事は多々あった。初めて来社される顧客は、建物の基礎しか残らない更地を見たとて、その被害の大きさなどわかるはずも無い。初めて入った女性が接客する店で、隣に座った初対面の女性に「私、10kgのダイエットに成功したんです」と話しかけられた時のような心情なのだろう、などと思いながら案内して来た。

こうして、震災から一年経ってみたならば、なんだか、その日の黒く渦巻いた津波みたいな心持ちとなってしまい、今まで好きだった事からも、自然と遠ざかってしまった。結局、ブログの更新も二か月ほど滞ったようだ。
そうして、巡り合せ(キッカケ)があって、昨日よりリハビリを始めることにした。
毎度ながら稚拙な文章痛み入る次第。

新しい住まいにも幾分慣れてきた感のある、ハナとウメ。
f:id:sharon6q:20120502064830j:image

f:id:sharon6q:20120502064832j:image

しばらくぶりにカメラを持ち出したのだけれど、桜は散り散りと舞い始めてた。

2012-05-01

鼎談な日々

その週末の日曜、少し遠出をしてみようと、細君が家族を誘った。

思い立ったら吉日な、細君からの突然の提案だった。
細君の話を聞けば、飼い主や震災の身勝手な振る舞いによって、生活する場所を失った動物たちの里親募集イベントが行われるとの事であった。そう云う事情であれば、ハードディスクの小腹を空かせるために、録り溜めた映画を消化させるぐらいしか思いつく用事がなかったので、同意して出かけることにした。一番期待して喜んでいたのは女性陣で、男性陣は結構冷めていたりした。血液型の違いであろうか。

昨年末、御年二十二歳だった老猫が大往生してから、既に四か月ほど経っているのだけれど、未だ色々と想うところがあったりで、正直複雑な心持ちになった。

然うして当日。
自動車(くるま)を走らせてから、すっかりキャリーを忘れたことに気付いた。けれどもイベントの状況が色々とわからないので、これ必要になった場合は、現地で調達する事にした。

現地についてみたら、沈着冷静に品定めする女性陣に対して、暴落気味なテンションの男性陣。これも血液型の違いだろうかと思った次第。
細君と彼と彼女が並んだゲージを覗き込んでは、私に色々と問うてくるので、これ父として最終決断を下そうとすれば、寸前に里親が決まってしまう。その様な状況下、目にした三歳になるキジトラ猫のお嬢さんに運命を感じて、これ即決。

これまで飼われたことなどなく、自然環境で成長してきたらしいのだが、食べるものに困っていたところを保護されたとのこと。取り急ぎ、里親申請なる書類に記載して、ゲージを購入のために自動車を走らせることにした。
他の里親希望者を心配がる彼女に状況説明をしていると、並んだ隣のゲージは母猫だと聞く。今日までずっと一緒に生活(すご)していたとの事。

近場のホームセンターでゲージを購入して、戻る道々、車中緊急家族会議を行った結果、一人(匹)も二人(匹)も世話するには、大して変わりはないと、結論に達して母娘ともに譲り受けることにした。さて問題はゲージをどうするか。

現地に戻って事情を話したところ、快く了承を得ることが出来、ゲージも貸して頂く事となった。

一件落着一安心したならば、腹がぐーと鳴って昼食を食べていない事を知らせた。
皆で新しい家族の名前を考えながら、食事をする場所を探し歩いているだけで、なんだか腹は満たされた感じになった。

ウメ(母)56歳
f:id:sharon6q:20120501182301j:image

ハナ(長女)28歳
f:id:sharon6q:20120501182300j:image

カリカリの袋を開ける音に、ニャーと鳴いて駆け寄ってくる、それまでの日常な朝が戻った。

2012-02-12

Case20120212-1007

彼女に友達から遊びの誘いの電話があった、日曜の朝。

歩いて行くには少しばかり遠い道程なので、車で送って行くことにした。
国道沿いではあるが、防潮堤で仕切られた河口部の海沿いでもある場所。
元々の住んでいた家は、その被害にあって、今は間借りしているらしい家の前に車を止めた。
彼女は助手席から足早に玄関先に姿を消した。
冠水注意の立て看板が、交差点の門でかたぴし風に揺れている。
風にのって波の音を耳にした。